△(3115)オーミケンシ : 低自己資本比率も高ROE、機能性素材に注目

銘柄紹介

はじめに

本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。

銘柄の基礎情報

今回ご紹介するのは、東証スタンダード市場に上場しているオーミケンシ(証券コード:3115)です。オーミケンシは、繊維製品の製造・販売を主力事業とする企業で、特にレーヨン(再生繊維)の分野では長い歴史と高い技術力を持つパイオニアとして知られています。

同社は、天然繊維から化学繊維、さらには吸湿発熱、抗菌防臭、消臭、UVカットといった高機能性素材の開発にも力を入れています。これらの素材は、アパレル製品だけでなく、産業資材や不織布など幅広い分野で活用されており、私たちの生活の様々な場面でその技術が貢献しています。環境負荷の低い再生繊維への取り組みも進めており、サステナビリティへの意識が高まる現代において、その存在感は増していると言えるでしょう。

直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。

  • 最低投資金額 : 27,600円(276円/株)
  • PBR : 1.00倍
  • PER : 36.41倍
  • 配当利回り : —
  • 株主優待 : なし
  • (2025年10月15日(水)時点)

ぽんぽん的な評価

△ ぽんぽんは、売りたいぽん!財務の安定性がもう少し欲しいぽん。。

評価の理由

[評価の注目ポイント] 自己資本比率の低さと高ROEのバランスに注目!繊維業界のトレンドも要チェックぽん!

A. 成長性 : 〇

オーミケンシの成長性については、機能性素材や環境配慮型素材への注力が大きなポイントだと感じています。現代のアパレル市場では、ただ衣類としての機能だけでなく、快適性や環境への配慮が強く求められるようになってきました。例えば、ユニクロとNeedlesが発表したフリースコレクションのニュース(New Uniqlo and Needles fleece collection – fashionunited.uk)からもわかるように、大手アパレル企業は常に新しい素材やデザインを取り入れ、消費者のニーズに応えようとしています。フリースのような機能性素材は、まさにオーミケンシが培ってきた技術が活かせる分野であり、同社が開発する吸湿発熱や抗菌防臭といった高機能素材は、こうした市場の需要を捉える上で非常に有利な立場にあると言えるでしょう。

また、環境負荷の低い再生繊維への取り組みも、今後の成長を左右する重要な要素です。世界的にサステナビリティへの意識が高まる中、企業が環境に配慮した製品開発を進めることは、ブランドイメージの向上だけでなく、新たなビジネスチャンスにも繋がります。オーミケンシがこのトレンドにしっかりと対応し、差別化された素材を提供し続けることができれば、安定した成長が期待できるのではないでしょうか。

ただし、過去数年の売上や利益の推移を見ると、景気変動や原材料価格の影響を受けやすい側面もあります。持続的な成長のためには、技術開発だけでなく、効率的な生産体制やコスト管理も重要になってくるでしょう。

B. 割安性 : △

オーミケンシの割安性を見てみると、PBRが1.00倍という水準です。これは、株価が企業の解散価値(純資産)とほぼ同じであるということを示しており、一見すると極端な割高感はないように見えます。しかし、PBR1倍はあくまで基準であり、成長期待が高い企業であればさらに高いPBRがつくこともありますし、逆に成長が見込めない企業であれば1倍を下回ることも珍しくありません。

一方、PER(株価収益率)は36.41倍と、市場平均と比較するとやや高めの水準です。これは、将来の収益成長に対する期待が株価に織り込まれている可能性を示唆しています。しかし、その期待通りの成長が実現できるかどうかが、今後の株価を左右する大きな要因となるでしょう。

また、配当利回りは「—」となっており、現時点では配当を出していないか、非常に少ないと考えられます。株主優待も設定されていないため、インカムゲインを重視する投資家にとっては、あまり魅力的に映らないかもしれません。配当や優待がない分、企業の利益は再投資に回され、さらなる成長に繋がる可能性もありますが、投資家としてはその見返りが十分に得られるかを見極める必要があります。

C. 安全性 : △

財務の安全性については、少し注意が必要な点が見られます。オーミケンシの自己資本比率は12.1%と、日本の製造業の平均と比較してもかなり低い水準にあります。一般的に、製造業では自己資本比率が30%以上あると財務が安定していると評価されることが多いです。自己資本比率が低いということは、借入金などの他人資本に依存している割合が高いことを意味し、景気変動や金利上昇といった外部環境の変化に対して脆弱である可能性があります。例えば、過去には福留ハム(2291)のように低い自己資本比率が課題となるケースも見られました。

しかし、一方でROE(自己資本利益率)は16.99%と非常に高い水準を維持しています。ROEは、自己資本をどれだけ効率的に使って利益を生み出しているかを示す指標であり、一般的に10%を超えると優良企業と評価されることが多いです。オーミケンシの場合、低い自己資本で高い利益を生み出しているのは、借入金を活用した財務レバレッジ効果が大きいと考えられます。これは、収益性が高い証拠とも言えますが、同時に財務リスクも高まる諸刃の剣のような状態とも言えるでしょう。

高いROEを維持しつつ、自己資本比率を徐々に改善していくことができれば、より盤石な財務基盤を築き、長期的な成長へと繋がるはずです。投資を検討する際には、同社の財務体質の改善に向けた具体的な取り組みや、今後の資金調達戦略にも注目する必要があるでしょう。

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