はじめに
本ブログの記事は、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任と判断において行ってください。
銘柄の基礎情報
今回ご紹介するのは、ETSグループ(東証スタンダード:1789)です。ETSグループは、電力インフラや通信インフラの設計、施工、保守を手掛ける企業で、私たちの社会生活に欠かせない基盤を支えています。具体的には、送電線や変電所の建設、携帯電話の基地局設置、光ファイバー網の構築など、多岐にわたる事業を展開しています。近年では、再生可能エネルギー関連の工事にも注力しており、持続可能な社会の実現にも貢献していますね。
直近の営業日における主要な指標は以下の通りです。
- 最低投資金額 : 103,500円(1,035円/株)
- PBR : 1.91倍
- PER : 13.29倍
- 配当利回り : 2.22%
- 株主優待 : なし
- (2025年12月29日(月)時点)
ぽんぽん的な評価
△ ぽんぽんは、あまり魅力は感じないぽん。。
評価の理由
[評価の注目ポイント]
電力・通信インフラを支える安定事業も、収益性と財務健全性の低下が気になるぽん!今後の改善に期待したいぽん。
ETSグループの評価を3つの観点から見ていきましょう。
A. 成長性 : △
ETSグループの成長性については、残念ながら「成長性:0.0倍」というデータが示されており、現状では大きな成長の勢いは見えにくい状況です。EPS(1株あたり利益)は四半期ごとに伸びているものの、その推移にはばらつきがあり、安定的な成長軌道に乗っているとは言い難いかもしれません。社会インフラという安定した事業基盤を持つ一方で、新たな成長ドライバーの創出や、既存事業での収益拡大が今後の課題となりそうです。特に、再生可能エネルギー分野への注力は将来的な成長の芽となり得ますが、現時点での業績への寄与は限定的と見られます。
B. 割安性 : 〇
割安性については、PER(株価収益率)が13.29倍と、市場全体と比較しても比較的割安感がある水準にあります。これは、企業の利益に対して株価が過度に評価されていないことを示唆しています。一方で、PBR(株価純資産倍率)は1.91倍と、純資産に対してはやや高めの評価と言えるでしょう。しかし、配当利回りが2.22%と比較的魅力的であり、インカムゲインを重視する投資家にとっては一定の魅力があるかもしれません。割安感と配当利回りのバランスをどう捉えるかがポイントになりそうです。
C. 安全性 : △
財務の安全性に関しては、やや懸念材料が見られます。自己資本比率は37.2%と、一般的に望ましいとされる30%を上回る水準ではありますが、四半期ごとに低下傾向にある点が気になります。また、有利子負債が増加傾向にあることも、財務の健全性に影響を与える可能性があります。ROE(自己資本利益率)は13.53%、ROA(総資産利益率)も概ね5%を上回っており、資本を効率的に活用できている点は評価できますが、その勢いは落ち着いてきているようです。インフラ工事は大規模な投資を伴うことが多いため、安定した財務基盤の維持は非常に重要です。今後の自己資本比率の動向や有利子負債の管理には注目していく必要があるでしょう。
ETSグループは、日本の電力・通信インフラを支える重要な役割を担っています。社会のデジタル化が進む中で通信インフラの重要性は増しており、また脱炭素社会に向けた再生可能エネルギーの導入拡大も同社にとって事業機会となり得ます。しかし、現状の収益性や財務の安定性には課題が見られ、今後の事業戦略や財務体質の改善が期待されます。
インフラ関連事業を手掛ける企業としては、他にも自己資本比率が高く安定した財務基盤を持つ企業も存在します。例えば、水処理インフラを支える前澤工業や、建設現場の安全を支えるサンコーテクノなども、その財務状況が注目される企業と言えるでしょう。


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